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楽園の冠
自創作品「アルトストーリア」を主軸とした創作小説・漫画を載せて行きます。
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どうでもいいSS
兄妹SSです


1人はまだキャラシ出してないです。 後半からの出場です。


雑子さんのまりもくんに右津田さんのシュネーラーちゃん、美月さんのカイトくんを少しお借りしました。

最後、ちょっと表現があれですのでお気をつけ下さい。
青と赤

よく考えたことがある。
もしも生き別れになった兄と出会うことになったらって。
兄と父はいつも喧嘩ばかりしていた。
その内容がなんなのかなんて頭のいい私にはすぐにわかった。
軍に入る、入らないの問題。
それで兄は出て行った。
もういつものように頭を撫でてくれないし、話だって聞いてくれない。
なんにせよ1番許せないのは
兄が軍に入らなかったから私が入る羽目になった。
ということだ。


「ふぅん。 それでお兄さんのこと嫌いになったのね」
「嫌いというか、ただ・・・・・・」
「ただ?」
「羨ましいだけ。 自分の意見を貫く兄が」
そう言ったのは今日のお昼ごろ。
同僚のシュネーラーという魔女の末裔の子にこの話をしていた。
「というより、なんで急にこの話を待ち出してくるの?」
「ただ・・・・・・話して見たかったの。 話したら少しは楽になれるかもって」
そういう事を言って話をまとめた。

違う。 本当は兄に会いたいだけ。
もう一度会って頭を撫でてほしいし、ギュッと抱きしめられたかった。







人生って決められるもんじゃねぇ。
俺の人生は最初から作られていた。 それも俺じゃない、親に。
なにが軍人だ。 俺はお前らの操り人形じゃないんだよ。
そういって家を出たのは8年前。
妹のヴァーミリオンが8歳の頃だ。
別に後悔はしなかった。 少し悲しかったが。

でも今日、初めて後悔する事になった。



俺は紅龍会というマフィアに入っている。
軍とは全く正反対のマフィアだ。
実践部隊、隠語で狼と名乗っているが俺はそこに所属している。
長めの赤い髪をパンク系にセットして、黒いジャケット着て。
軍みたいな堅苦しいやつは嫌いなんだよ。
コーヒー片手に座って考えていると足に軽い衝撃。
「ん?」
「セルお兄ちゃん、元気?」
あどけない笑顔の子供。
緑色の髪が目を引く。
「まりもか。 どうした?」
まりも、このマフィアの中では1番年齢が年下なんじゃないかと思う。 10歳と聞いた。
「あのね。 僕のお友達がいるんだ!!」
「マフィアにか?」
「ううん。 軍だよ」
思い切りコーヒーを吹き出した。
「ぐ、軍!? まりも、お前一体どこに行ってるんだ!?」
「軍の近くに森があるでしょー? そこであったの!! すっごく優しい人でね」
満面の笑みで語り始めるまりもを見て少し苦笑した。
本当に元気だ。
ヴァーミリオンはこんなに元気な子じゃなかった。
いつも本を読んで、ミルクレープを作るだけ。
そんな妹を心配に思った時もあったっけ。
「それでね!!! その人の名前がね!!!」
この辺でボーッと考え事をしていた。

「ヴァーミリオンって言うんだ!!」

バシャンと、コーヒーを溢した。
紙コップ諸共だ。 床に茶色い染みが広がって行く。
「わわっ!! セルお兄ちゃんどうしたの!?」
まりもが持っていたタオルで床を拭きあげるその最中も俺は動かなかったし声すら出せなかった。
・・・・・・ヴァーミリオン?
間違いだ。 あいつが軍に?
確かにレベッカ家は代々軍人を輩出する名家だが、流石にあんな気弱なあいつを、あいつまでも軍人にさせたのか?
「・・・・・・ヴァー、ミリオン?」
やっと出た声は掠れていた。
それでもまりもは疑問に思わず頷く。
「そうだよ。 青色の長い髪で目が綺麗なの!! 朱なんだよ!! ちょうどセルお兄ちゃんの色と同じだよ!!」
間違いない。
あいつだ。
無言で立ち上がりコップを拾い上げまりもの頭を軽く叩く。
「ありがとな。 拭いてくれて。 お前は良い大人になる」
「えへへっ・・・・・・」
「じゃあ、出かけてくるよ」
「どこに?」
そう聞かれて素直に「軍」という訳にはいかんだろう。 なので
「過去に出かけてくるよ」



意味深な事を吐き捨てて来たが良かったのだろうか。 まだ小さいまりもにはわからなかったかもしれない。
彼はヴァーミリオンじゃないから。
小さい頃のあいつを思い出すと身震いする。


『・・・・・・お兄ちゃん。 どこ行くの?』
『ちょっと公園に散歩』
『・・・・・・徒歩なら1時間、これは時速2kmのはやさ。 自転車で行ったほうが良いかもしれないよ。 今の雲量は9だからもうすぐで雨が降るから。 風向は南西の風、そして風力は3。 寒いからコート来ていってね』


あんな事を言われた時はかなりびっくりしたっけ。
14歳で習う事をなぜ6歳が知っている?
俺がちょうど11歳の時に。
そういう面であいつは大人びていた。 いや、大人ぶってる。
まだまだ子供だ。 自分の存在価値を見出せていない。
「・・・・・・お前はいつまで玩具でいるつもりだ?」
つぶやき、道路を駆けた。
と。
「セル兄?」
そこで見つけたのは同じマフィアのカイト。
そうか、こいつストリートチルドレンだったんだな。
両親に手厚く育てられた俺とは大違い。 ストリートチルドレンなんて憧れるな。
「おう、カイトか。 どうした」
「セル兄こそどうしたのー。 そんなに急ぐなんて珍しいねー」
「まぁ、馬鹿に一回くらいは叱咤をかけてやらないとな」
は?
と聞き返すカイト。
「今から妹に会いに行くんだよ。 誰にも言うなよ」
「妹に? うん、言わないよ」
さすが。 こいつは頼りがいがある。
「じゃあ」
一言だけ言い残してまた走り出す。
なんであんな奴のために今走っているんだろうとは思わなかった。



公園に着いた。
だが、都合よくヴァーミリオンがいるわけもない。 呼び出す事にした。
「洗礼術式、開放」
異能をとりあえず発動させた。
洗礼術式とは、ただの魔法。
念話、透視、洗礼の3パターンが使える。
それぞれの開放術式があって、1回の異能開放で1つの魔法が使える。
しかも、開放出来るのは1日1回。
今日、と言っても真夜中だが。
今日は念話を選んだ。 ヴァーミリオンもコミュニケーションだから通話くらい出来る。
「Oguma Su poder a mí」
開放術式を口ずさみ、なんとかヴァーミリオンを捕捉。 喋りかける。
「おい。 起きろ」
『・・・・・・!? お兄さん!?』
「あぁ、俺だ」
『い、今までどこに行ってたんですか!! どれだけ心配したと「んなこと話に来たんじゃねぇよ。 とっとと公園に来な」
ブツリと念話を切る。
そうだ。 ヴァーミリオンは軍。 俺はマフィアだ。
追われる側に追う側。
「ふっ・・・・・・。 俺、負けるかもしれないな」
襟に付けてある星を気にかけて薄く笑った。


20分後にヴァーミリオンは来た。
走って来たというのに息すら上がっていない。 さすが軍人だ。
まだまだあどけなさが残った顔。 変わっていなかった。
変わったのは体格か? 前はあんなに細かったのに今では結構筋肉質だ。 それでもかなり細いが。 そして男としてはコメントし辛い事は黙秘権を使用する。 兄妹だが、流石に抵抗がある。
「久しぶりだな。 ミリオン」
「お兄さん・・・・・・。 どうしていきなり」
「お前、やっぱり軍に入ったんだな。 俺の変わりなのか?」
「いきなり何を言い出すと思えば」
「答えろ」
押し黙るヴァーミリオンを見てまた笑う。
「そうか。お前は昔からそういう奴だったよな」
そっと前に進む。
ヴァーミリオンが下を向いているのを確認して腰のホルダーから双剣を引き抜く。
「そうやってお前は自分を閉ざしてるんだ。 本当にやりたい事、あったんじゃないのか?」
未だに動かない妹。 そのかたに手を乗せる。
「お前は軍人。 俺はマフィア。 やる事は1つだろ?」
ヴァーミリオンの顔が上がったその時に双剣を彼女の首に押し付ける。
「っ!! 私は軍人です!!」
そういいながらヴァーミリオンは手で、素手で双剣を押しのけた。
そして、腕に伝える痛み。
「ぐっ!!!!」
急いで飛び退き腕を見ると黒いスーツが赤に染まっている。
ヴァーミリオンの手には回転式拳銃が握られていた。
そしてその腰には様々な銃。 散弾銃は勿論、ライフルにマインスロアー、肩に担いでるのはロケットランチャーか?
「ははっ。 お前もずいぶん気性が荒くなった様だな」
早く明日にならないだろうかと思いながら言った。
洗礼なら武器を壊せる。 先ずは散弾銃とロケランを壊さなければ!!
腕時計を見ると11:55分。
『あと5分、生き残れるか?』
多分無理だ。
「お兄さん、あなたがマフィアなら私は秩序を守るため倒します」
「なにが秩序だ」
「うるさいっ!! マフィアがなければ軍はなくてもいい。 みんな身勝手だから、裏社会なんかがあるからこの世界はおかしいのよ!!!」
お前が身勝手だろうが。
「まりもくんだって1人であんなとこまで、マフィアに連れていかれたら誰がまりもくんを助けるの!?」
まりもの話は本当らしい。
という事は、こいつまりもがマフィアって知らないのか?
面白い。
動揺させてやろうか。
「そのまりもってのは?」
「なんでお兄さんに関係あるの」
きっぱりと言われ、引き下がるわけにもいかない。
「お前に友達が出来るなんて珍しいじゃないか」
「私だって少しは成長したんです!! まりもくんはまだ小さくて、いつも森に1人でいた。 あんな小さな子がマフィアが連れ去られたりしたら大変じゃない!! そのために軍があるんでしょ!?」
こいつマフィアと軍の存在を分かってないのか?
そもそもマフィアが子供を連れさらう事なんてなかろうに。
「・・・・・・それも全部、あのクソジジィとクソババァに教え込まれたってわけか」
掠れた声で呟く。
多分ヴァーミリオンには聞こえていない。 というか聞こえてたら厄介だ。
「じゃあお前に面白い事を教えてやろうか?」
「面白い事・・・・・・?」
銃を心なしか下ろすヴァーミリオン。
かかったな。
口元に笑みをたたえ続ける。
「そうだ。 とってもとっても面白い事」
「なんですか」
一回間を置いて笑いながら言った。


「まりも。あいつはマフィアだよ」


ヴァーミリオンの手から銃が零れ落ちた。 呆気ない程に簡単に。
回転式拳銃は乾いた音を立て、地面の石と触れ合った。
「今日、俺がここに来たのもまりもからお前の話を聞いたからだ。 随分と仲良くしてたみたいだな」
一言も喋らないヴァーミリオンを見ながらももう一言。
「どうだ? お前はまりもがマフィアと知った今、さっきと同じ様に秩序を守るためにまりもを撃てるか?」
静寂。 そして
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
ヴァーミリオンは泣き叫びながら散弾銃を連射。
散弾銃、つまりショットガンの連射式なんて珍しい。 セミオートショットガンだろうか?
一発は急所に当たった。 かなりのダメージだ。 多分、俺死ぬわ。
明日のニュースで『マフィアの男性、死亡』なんて出るんだろうな。
最後くらいカイトやまりもと一緒に遊んだりしたかったな。
「違うっ!! 違うっ!! まりもくんがマフィアだなんて・・・・・・!!」
「本当だって言ってんだろ? ・・・・・・あいつはマフィア」
「っ!! 私はまりもくんと戦いたくない!!」
「それが矛盾だよ。 俺がマフィアでも俺とは戦うんだろ? ましてや血の繋がった兄妹でも。 まりももマフィアじゃないか」
反論出来ないのであろうヴァーミリオンに語りかける。
「お前は正直じゃないんだ。 人にも親にも。 偽りの自分を語って引きこもってる。 本当にお前は軍人になりたかったのか? そんな銃を持ちたかったのか? お前はいつまで親の玩具でいるつもりだ? ミリオン」
「玩具・・・・・・?」
「あぁ。 お前気付いてんだろ? 自分は親の道具に違いねぇって」
ヴァーミリオンが、ばっと顔を上げた。
構わず続ける。
「俺は玩具でいたくねぇ。 道具でも嫌だ。 だから家を出た。 なんでぬくぬくと温室で暮らさなきゃいけねぇ? おかしいだろ?」
「・・・・・・」
「人生、正義が全てじゃない。 俺が思ってる『正義』はお前にとっての『悪』であり、お前が思ってる『悪』は俺にとっての『正義』だ。 簡単だろ?」
無口になったヴァーミリオンを横目に、その場に倒れこむ。
「ま、どっちにしろ。 これは俺の負けだ。 星は持っていけ」
「・・・・・・っ」
驚いた顔をするヴァーミリオン。
「ったり前だろ? 俺は既に瀕死だ。 これでどう足掻いてもミリオンには勝てない。 ほら、持っていけ」
どうせ、負けても勝ってもこのつもりだった。
このゲームでヴァーミリオンが勝つためには星が必要。 2個あれば1回負けても生き残れる。
だったらそのもう1個はどうすればいい?
簡単。 俺が負けて星を譲ればいい。
可愛い妹のため、リタイアなどどうって事ない。
だが

「馬鹿!!」

なにをするかと思えば、ヴァーミリオンは俺の真横に寝転んだ。
「おまっ・・・・・・!! 何を」
「ふふっ。 シェル兄と一緒に寝るのも久しぶりだね」
あ・・・・・・。
その呼び方。
ヴァーミリオンが舌足らずの時に言った俺の名前。

『しぇりゅりあん?』

しゃししゅしぇしょ。 となるのは仕方ない。 サ行は言いにくいのだ。
それが残って シェル兄 といつも言われていた。
「私ね。 いつかシェル兄と会ったら絶対びっくりさせたかったの。 あんなひ弱な姿、見せられないからね。 でも今日あったら、シェル兄のほうにびっくりしちゃった。 すっごく砕けてるんだもん」
ペラペラと喋り出す妹を呆然と見つめる。
「シェル兄? どうしたの?」
「・・・・・・いや。 俺もずっとミリオンに会いたかった」
満面の笑みでそう言うとヴァーミリオンも笑った。
「星が綺麗だよシェル兄」
「あれが琴座であれは蟹座」
「星の読み方くらい分かるよ」
「そうか?」
「そうだよ」
しばらくの間、ずっと星を眺めていた。
「シェル兄。 私は軍人だよ。 でもシェル兄やまりもくんとは戦いたくない。 だって私の大切な人だもんね」
「嫌ならやめてもいいんだぞ」
「嫌じゃないよ。 だって私が軍人にならなかったらまりもくんとは会えなかったのかもしれませんし、今の友達もいるから」
そう言い切るヴァーミリオンを見て少しホッとした。
よかった。 こいつは強くなった。


「じゃ、俺は帰るよ」
「家には戻らないんですか?」
「クソババァクソジジィと大げんかした家に戻ると思うか?」
「それもそうだね」
苦笑しながらヴァーミリオンは言う。
「でもミリオンに会えてよかった。 たまにはこういうのも良いな」
「もうすぐ夜が明けます。 見つからないうちに帰りましょう」
提案に乗っかり、早目にあとにすることにした。
ヴァーミリオンとは別の方向だ。
シェル兄。
と呼ばれる振り向いたその時。
柔らかい何かが頬に触れた。
「私、好きな人、流石にいますけど小さな頃はシェル兄が1番大好きでしたよ。 じゃあさよなら」
言いたいだけ言って帰っていった。
「・・・・・・くそ愚妹め」
少し笑いながら、そう呟いた。

END
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