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楽園の冠
自創作品「アルトストーリア」を主軸とした創作小説・漫画を載せて行きます。
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追記より革命イベントの小説です
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真夜中、車椅子に座った女性がサラサラと手紙を書いていた。 流麗な字で非常に読みやすい。
そしてその手紙を折りたたみ、封筒に入れる。
手紙と共に、綺麗な赤い宝石のペンダントも滑り込ませた。
女性は消えかけそうな蝋燭の灯火を見て儚く笑う。
「あと、1年」






グレイス家当主、エルフ・グレイス。
早くに亡くなった両親の跡を継ぎ、グレイス家を取り締まっている女。
エルフは自分の弟に、昨晩書いた手紙を渡した。
「どうかこれを、ティアー様に渡して」
「姉さん?」
「それから・・・・・・。 しばらくこの家には戻らないわ。 大丈夫心配することはないから」
そう言って彼女は金色と暗い赤色をした車椅子に座り、部屋を出て行った。
エルフが向かったのは家の離れ。
離れに入ると彼女は車椅子から立ち上がる。 そしてしっかりとした足どりで、厳重に保管されていた木箱を見つけ、蓋を開けた。
「腕が訛ってなければよろしいですけれども」
そう言って中身を取り出す。
銀色の刀身。 その刀身には黒い模様がついている。
剣を見てエルフはにっこりと笑った。
「あぁ懐かしい。 そういえば昔はこの剣を使ってお父様と稽古をしていたわね。 ティアー様のメイドになってからは、私が警護を受けもっていたから随分と世話になったわ」
そう、エルフは元々イルーシェンの兵隊を志願していた。 当時は15人の敵を1人で蹴散らすという程の力の持ち主であった。
「ティアー様、私は必ず、ティアー様に相応しい場所をこの腐り切った国から取り戻します。 連中の好きなように、あなたを駒にさせたりしない・・・・・・」
人工の西国で広がりつつある革命。
エルフはその革命に参加したのだ。
全ては愛する女王陛下のため。
そのためならばエルフは命さえ惜しまない。






昨晩エルフが書いた手紙。
その手紙にはこう書かれていた。

『親愛なるティアー女王陛下へ
いきなりのお手紙、申し訳ありません。 驚かせてしまったでしょうか?
しかし、急ぎの用事なのです。
ティアー様にもお伝えしたくて、お手紙を書きました。

さて、最近は随分と冷え込んできました。 お体にお変わりはございませんか?
ティアー様はよくお体を崩されますので、寒さには十分お気をつけてくださいませ。 温かいチキンスープなどを召し上がると、少しだけですが、体が暖まると思います。
夜寒ければ遠慮なく私の弟に申しつけてください。
彼もティアー様に忠誠を誓い、執事としてやってきました。 きっと私以上に役に立てるはずです。


それはともかく、本題に入らせていただきます。
実は私、しばらく旅に出ることにいたしました。
私の命はもう長くはありません。
だからこの目で、この耳で、違う地の景色や音を味わいたい。
そう思い、家を出ることにしました。
きっとティアー様がこの手紙を読んでくださっている時には、私はもう西国にはいません。
どうか、ティアー様のお側にいれない私をお許しください。 私は世界で一番の無礼者でございます。

この手紙と共に、私が作ったペンダントをお贈りします。
必ずやそのペンダントが、ティアー様を守ってくれることでしょう

それでは

エルフ・グレイス』

この手紙は女王を想うエルフの気持ちの表れでもあり、そして。

革命で自分が死す可能性も見兼ね、遺書として残した手紙でもあった。


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