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楽園の冠
自創作品「アルトストーリア」を主軸とした創作小説・漫画を載せて行きます。
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細やかな幸せ
追記より小説です
細やかな幸せ






アリオトが怪我をして1ヶ月経った日。
私は訓練が終わると、昨日作っておいたスープが入っている鍋を抱えて彼の自室に向かった。
合鍵を使って扉を開け、まだ眠っているアリオトを起こさないように鍋に火をかけた。
1ヶ月経ったものの、まだまだ安静にしておいた方がいい。 と医者から言われ、今は自室で休養中のアリオト。 当然訓練にも来ていない。
そして彼は最近全然動いてないので料理をしていないらしい。
なので私が軽いご飯を作ってきたと言うわけだ。
「ふぅ。 今日の訓練も疲れたわね」
そういいながら机に紙を広げる。
「なんて書こうかしら。 やっぱり最初の挨拶が肝心よね?」
「また案内状で悩んでんのか・・・・・・」
いつのまにか起きたらしいアリオトが、そう呟いた。
「挨拶って大切でしょ? それだけで人間性が分かるとか言ってたし」
「分からないならお前のおじさんに聞いてみればいいんじゃないか?」
「ジャック伯父様? ダメよ。 結婚するなんて言ったらきっと仕事抜けてでも式に来ちゃうから知らせないの。 伯父様は西の女王の執事なんだから、忙しいし、わたしより主の事で頭がいっぱいらしいし」
「ふーん」
アリオトの声が遠くから聞こえた。 多分洗面所だろう。
「それより君が考えてくれてもいいんじゃないの?」
「怪我人だから嫌だ」
「あ"? こういう時は怪我人ですか、アリスちゃ~ん?」
「やめろ! その名で呼ぶな!!」
「そうですよね、空の貴公子、鍵の美少女アリスちゃんはこういう雑用なんてしませんよね~」
「バカにしてんだろ! 誰のおかげであのレストラン行けたと思ってんだ」
「別に行きたいなんて言ってないし?」
「離婚する」
「いや待って待って! お願いですから早まらないで!! ごめんってわたしが悪かった! アリスちゃん許して! 笑って! 笑顔こっちに頂戴!」
「もーまったくー♥︎ ひどいわー!」
「うわ・・・・・・きも」
「お前完全に俺で遊んでるだろ!?」
そんな茶番劇を終えたところで、アリオトが後ろからテーブルを覗き込む。
「いい線いってるんじゃねぇの?」
「イルファ様にもこんな内容でいいのかしら。 ブルー様にも招待状差し上げた方がいいかしら」
「んー。 イカロスのみんなには招待状出すんだろ? だったらお二人にも差し上げるのが普通だろ。 っていうか出さないつもりだったのか?」
「わたしたちの結婚式に来て得するのかしらって思って」
「・・・・・・・そこは、まぁ。 ほら」
「ち、違う内容の招待状を送ればいいのよ! そうでしょ!?」
「それだ!」







招待状を書き終わったわたし達は、軽食をとっていた。
「おいしいよ」
「そう。 ありがと」
何気ない会話が、こんなに楽しくて心が温まるものとは思ってなくて、最近は毎日が楽しくなった。
ふとアリオトを見ると、彼の首から下がっているペンダントが光っていた。
「いつも下げてるの? それ」
「ん? あぁ。 お前は?」
「わたしもずっと身につけてる」
お揃いで買ったペンダント。
雫のような形をしているのだが、二つ合わせるとハートの形になるという。
ちなみにわたしのペンダントには「Alioth」と彫られていて、アリオトには「Geldeer」彫ってある。
つまり何が言いたいか。
ただの新婚。


この日から5日経ったあと。
わたしとアリオトは、イカロスのみんなに結婚式の招待状を送った。
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