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楽園の冠
自創作品「アルトストーリア」を主軸とした創作小説・漫画を載せて行きます。
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この花
追記より呪梨のプロローグです。
この花


ちょこっとお借りしました。
黄泉さん (白須)






声ガスル。
誰カノ声ガ。
シニタクナイ、シニタクナイ。
ト、言ッテイル。
ダガ、シカタノナイコト。
オマエハ、ワレヲ怒ラセタ。
ソノ罪ハ



「命で償ってもらいますわ」








わたくし、伊佐山呪梨は外に出ておりました。
なぜかというと、今日は遠くへ出かけたい気分だったからです。 わたくしはお出かけが趣味で、良くいろんなところに電車で行っております。
今日は京都に行きたくて駅へとまいりました。
しかしわたくしとしたことが、どうやら京都行きの電車の時刻を書いたメモを忘れてしまったようです。

「仕方ないですわ。駅員さんに聞いてみた方がよいでしょう」
わたくしは駅員さんを探しにホームの中へ入って行きました。
しかしいくら歩いても駅員さんはどこにいるかわかりませんでした。 それは駅員さんがいない、というわけではなく、単にわたくしの周囲への注意ができていないだけなのですが。
周囲への注意、とはなんだか今言う"ダジャレ"ぽいですわ。 うふふふ。
気をとりなおして周りを見てみると、なんだかそれっぽい人を見つけましたわ。 というよりどなたでも良いので話しかければ駅員さんはすぐ見つかるはずでしたね。
「あの、申し訳ありません。 質問があるのですが、お時間ありますでしょうか?」
「なんだ愚民」
「愚民・・・・・・! うふふふ。 中々面白くて粋な言葉を使いますのね。 あなた様は面白いお方ですわ」
着物の袖で口元を隠しながらわたくしは笑いました。 日本の女性はいつも美しい立ち振る舞いをしなければなりませんわ。 人目につく場所では勿論、お屋敷の中でも、庭の中でもわたくしはわたくしが出来る最高の美しい立ち振る舞いをしているつもりですわ。
「こほん・・・・・・。 それでは御迷惑だとは思いますが、少し平凡な質問をさせていただきます。 実はわたくし京都に行きたいのですが、電車の時刻を忘れてしまいまして。 よろしければ教えてもらいたいのです」
わたくしがそういうと、愚民という面白くて粋な言葉を使った男の方は腰に御手を当ててこう言いました。
「崇高なる魔界のプリンスが直々に教えようではないか。 電車の時刻はそこに表示してある」
崇高なる魔界のプリンスという男の方は後ろの【時刻表】と書かれた看板を指差しました。
「あら、あんなところに時刻表がありましたのね。 ここの電車は何回も使っているのですが、わたくしとしたことが気づくことができませんでした。 今日崇高なる魔界のプリンス様に会って話をしてなければ見落とすところでした。 貴重な時間を割いてしまって申し訳ありませんでした。 すっかりわかりましたわ」
「ふん、そうか」
「そうだ、ところで御名前を御伺いしたいのですが。 ここで会ったのも何かの縁。 親切に教えていただいた御礼もしたいのです」
「名前か、それは「と、思いましたが大丈夫ですわ。 もうわかりました」
崇高なる魔界のプリンス様は怪訝そうな顔をなされました。 それもそうです。 なぜ初対面なのに名前が分かるのか、という奇妙な事が起こっているのですから。
「あなた様の御名前は黄泉様ですね?」
彼は次に驚いた顔をなされました。 よく表情が変わる顔だと思いながらわたくしは笑いました。
きちんと着物の袖で口元を隠しながら。
「わたくしは人間ではないのですから」



電車の中で、わたくしは鞄の中を確認しました。
その中に入っていた白い仮面を見て微笑みましたわ。

「今日は残念ですけれども、あなたの出番はありませんわ」


続く
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