FC2ブログ
楽園の冠
自創作品「アルトストーリア」を主軸とした創作小説・漫画を載せて行きます。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
始まりと涙 2



祭星が部隊長をおりて、早いことで2週間経った。
部隊はなんの心配もなく、順調に任務をこなしていると聞いて、彼女はホッとしていた。
「よかった、嘉峯ちゃんも頑張ってるみたいだし。 ヴォルフくんやリツカくんも支えてくれてるみたい」
とは言ったものの、少し悲しい気持ちもある。
私がいなくても、やっぱり世界は正常に回ってゆくのだ。
このままいっそ。
そう考えながら、病院の無機質な廊下を進む。
「ああ、ダメ・・・・・・。 考えないようにしてたんだから、だから考えちゃダメなんだった・・・・・・!」
自分がいなくても。 とか。
私はどうせ。とか。
そういうことを考えると、妙に気分が悪くなってきて、頭が締め付けられるようで、目が回る。
「っ・・・・・・! やっぱ、まだ1人で出歩くんじゃ、なかった・・・・・・!」
心臓が痛い。
グラリと床に倒れる。
そんな彼女を誰かが片手で受け止めて、胸に抱く。
「・・・・・・?」
「ぼろぼろだな。 やっぱり、お前の隣を離れるべきじゃなかった」
聞き慣れた声。 その灰色がかった水色の髪がふわりと靡いて、祭星の蒼の瞳に映る。
「れ、ん・・・・・・?!」
「久しぶり。 元気・・・・・・じゃなさそうだな、祭星」
「ど、どうして、いきなり・・・・・・!! うっ」
起き上がった祭星だったが、急に咳き込んでまたぐったりと彼にもたれかかる。
咳と共に大量の血を吐き出す彼女の背中を、蓮はただ無言でさすり続けた。
「ゼクト兄さんと、リオ爺から連絡があった。 それから嘉峯もだ。 ・・・・・・あんま無茶すんな。 ほら」
蓮は祭星をヒョイっと抱きかかえ、病室へ戻る。
「ごめん、ね・・・・・・、わたし、もう」
「・・・・・・わかってる。 なんとかする。 そのためにここにきた」
病室のベッドへ祭星を寝かせると、腰に下げた革のポーチからガラス玉のような薬を取り出す。
「これ飲めば少しは落ち着く。 まあ、副作用で1週間は寝込むけど」
コップの水の中にそれをコロンと落とすと、薬は溶け出し、赤い水に変わり果てる。
それを祭星に飲ませると、彼女は事切れたように眠った。
「凄まじい効き目だな・・・・・・。 流石としか言いようがない」
この薬を渡してきた女性を思い浮かべる。
「祭星・・・・・・」
眠ってしまった少女を見つめ、小さく呟いた。










NEXT

スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2006 楽園の冠 all rights reserved.
Powered by FC2 blog. Template by F.Koshiba.
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。