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楽園の冠
自創作品「アルトストーリア」を主軸とした創作小説・漫画を載せて行きます。
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贖罪の色
追記より祭星メインの小説です


『哀れな子』

目の前にいる自分は、そう自分に言った。

『本当に哀れな子。 可哀想な子』

目の前にいる自分は、そう言って笑った。

『だから私が、消えればいいのよ』







贖罪の色


♦︎


「~~っ!!」
祭星はガバッと体を起こした。
酷い夢を見た。 汗がぐっしょりと首にまとわりつく。
「祭星、大丈夫か」
隣にいたアッティリオが心配そうに尋ねてくる。
「随分魘されていた。 起こそうと思ったんだが、その前に起きたな」
「リオ爺・・・・・・。 大丈夫だよ、ちょっと変な夢を見ただけ。 心配させちゃってごめんね」
「ふむ。 それならいい。 今、ゼクトがお茶を淹れに行った。 それを飲んでまたゆっくり休むといい」
「ん。 ありがと」
自分のことを気にかけてくれるアッティリオ。 祭星はにっこり微笑んで椅子に腰掛ける。
「夢から逃げ出せたようだな」
と言って祭星にティーカップを手渡してくるゼクト。
「ゼクにぃありがとう。 ・・・・・・よくそのアームでお茶を淹れれたね?」
「己は器用だからな」
大きな鉤爪のついたアーム。 使いにくそうなのにゼクトはそれを気にすることもなく使っている。
「・・・・・・」
祭星は紅茶の水面を見て考える。
あの夢のことを。
途端に目眩がした。
嫌だ。 考えたくない。
「祭星」
ゼクトが祭星からティーカップを奪い取る。 そして片手で彼女を抱えて、ベッドの上に放り投げた。
「今にも吐きそうな顔をされても困る。 今日は寝ろ。 安心しておけ。 お前が寝ても己とリオが側にいてやる。 だから今は寝ろ」
「ゼクト、もう少し優しくしてやらぬか」
「黙れ不良品」
「なんだと?」
言い合いを始める兄弟。 祭星はその声を聴きながらスゥッと眠りについた。


寝息を立てる祭星をみて、ゼクトが声色を落とす。
「あいつの存在が、祭星を苦しめている」
「ああ。 だがわしらにはなにもできん」
アッティリオは祭星に毛布をかけてやる。
「祀莉、か・・・・・・」
その名を苦々しく、アッティリオは吐き出した。




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