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楽園の冠
自創作品「アルトストーリア」を主軸とした創作小説・漫画を載せて行きます。
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お勉強のその前に
出演
セルリアン・レベッカ
ヴァーミリオン・レベッカ
ハンナちゃん(朱緒さま宅)
シュネーラーちゃん(右津田さま宅)
アマリネさん(あなろぐ時計さま宅)
数奇くん(雑子さま宅)




ある日の事だ。
早朝5時。 まだまだ寝ている時間帯だったのにも関わらず、居候の少女から叩き起こされた。
「セルーッ!!! ほら、朝だよ!!」
「・・・・・・は?」
寝ぼけていたので、目をこすり、時計を見ると5時。
「馬鹿野郎・・・・・・寝る」
「セルーッ!!!? 僕がせっかく起こしてやったというのに!」
「誰のせいで昨日2時まで起きてたと思ってやがる・・・・・・」
「なんのことだい? 僕は全く分からないよ!!」
「すっげえイライラする・・・・・・眠い」
「男がだらしないじゃないか!! ほらセル起きるんだ」
肩を揺さぶられ、仕方なく起きる。
寝ぼけて霞む視界の先に、にっこり笑った少女がいた。
「おはよう、セルリアン」
「あぁ・・・・・・おはよう、ハンナ」
いつもよりも一段と低い声でそう言うと、ハンナは首を傾げた。
「あれれ? セルってそんなに声低かったかい?」
「寝起きだからな」
無愛想に言ってベッドから降りた。 そしてスーツのまま寝ていたことに気づき、頭を抱える。
「うわー・・・・・・。 これシワになってるよな。 また新しいの買わないと」
「シワ? クリーニングに出せばいいじゃないか!」
「ばか」
そう言って、ゆうに20cmは身長差のあるハンナの頭を小突く。
「一級の品っていうのは、そういうものだ。 下手に直したらかえって質が下がる」
わけがわからない。 そう言いたそうなハンナの顔を見て少し微笑んだ。
というか、多分、シャワーも浴びてない。
「あついな・・・・・・。 ちょっとシャワー浴びてくる」
「じゃあ僕も」
「ばっ、ばかばかばか!! 俺は男だ!!」



シャワーを浴び終わった後、新しい黒スーツに着替えた俺は早めの朝食を作りながらハンナに尋ねる。
「で、話とは?」
「ん? 僕がいつ話があるといったかい? 早とちりだね!」
こいつ・・・・・・。
「まぁ話があるんだけどね」
「あぁ、だからその話とはなんだ?」
スープをテーブルに置くとハンナはそれをスプーンで混ぜながら言った。

「実は勉強を教えてほしいんだ!」

スコンッ と大きな音。 気付けば手にしていた包丁がまな板に突き刺さっていた。
「勉強・・・・・・? 誰にだ」
「もちろんセルにさ!」
いつの間にかスープを飲み終わっていた金髪の彼女はニコニコ笑いながら紙とペンを差し出してきた。
「ほら!! ここに算数の文字式? とか書いてほしいんだ!」
文字式!?
あのa+b・・・・・・のなんとかかんとかとかのやつか?
「お、俺は」
理数系は得意じゃない。
そう言おうとしたけど、呑み込んだ。
だってハンナは俺を頼ってきてるってことだよな? だったらそれに応えないと・・・・・・。
「わかった、わかった。 しかし俺にも準備というものが必要だ。 一週間後だ。 その間に必要な道具やノートを買っておく」
「うん、絶対だよ!!」
弾んだハンナの声を聞いて本気で勉強しようと思った。



しかし。 ああ言ったものの俺は不良だった。
軍学校は中退だ。 家を出たから。
しかも真面目に勉強した事は一度もない。
これでハンナに勉強を教えられなくてがっかりさせるとハンスに半殺しだろう。 どうにか数学の勉強をしなければ。
そして俺は一つの答えに辿り着いた。
妹からノートを借りればいい。

「軍は・・・・・・こっちか」
手にしている電子地図を見ながら前へ進む。
まぁ、正面から乗り込むわけにも行かないだろう。 とりあえず窓から侵入するか。
しばらく歩くとやっと軍の建物を見つけた。
元は軍人の手前まで行ったいたので、建物内の地図くらい覚えている。
ここは食堂、このまままっすぐ壁沿いに歩けば研究室だ。
足音を立てずにそっと歩く。
しかし一般人の俺がこうも簡単に侵入出来るとなると軍の見張りもどうなっているんだ?
それか食堂か研究室に化け物でもいるのか?
でもまぁさすがにヴァーミリオンと言えどもまさか死人を蘇らせたりできないだろう。
俺がこの前見たテレビに死人を蘇らせる女がいたのでちょっと怖かった。
どうのこうのしているうちに研究室の窓を見つけた。 結構化学品のキツイ匂いがするが、気のせいにしておこう。
ちょうど窓は開いていて、そこから声がした。

「・・・・・・え? 数奇さん、これをこの中に入れれば研究は成功しますよね?」
「うん。 少しづつ入れたほうがいいかもね」

男と女の声。
男のほうはわからないが、女はヴァーミリオンだとすぐにわかった。
よし・・・・・・。
近くにあった小石を研究室の壁に投げつけた。
コツンという音。 2人の会話が止まった。
「何の音?」
「わかりません・・・・・・、私見て来ますね」
「あ、ヴァーミィさん。 僕が見ましょうか?」
「いえいえ、数奇さんはそこに・・・・・・下っ端の私が行きます」
ヴァーミリオンのブーツの音が近づく。
窓を股越し、周りを見回した時。

「よ、ヴァーミリオン」

気軽に声をかけたら、いきなり大外刈りをもらった。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? シェル兄!?」
そう叫びながら実の兄を軽々と持ち上げ見事地面に叩きつけるヴァーミリオンはおかしいのではないだろうか。
「ごふっ!!?」
衝撃で横隔膜が痙攣。 一気に呼吸が止まった。
『シェル兄ごめん!!』
『馬鹿野郎・・・・・・! 次は何を』
異能を使いながら会話を交わすとヴァーミリオンは腰のポーチから回転式拳銃を取り出し、俺に向かってトリガーを引いた。
銃声が3発。
2発は急所を外れたが、1発は完全に致命傷だった。
「いっ・・・・・・!!!」
「不法侵入者ですね!?」
『シェル兄聞いて、今から右腕を折るから』
『ふざけるな! お前兄に何を『死なずに済むのと、拷問受けて殺されるのどっちが良いんですか!?』
言葉が返せなかった。
『私がシェル兄の腕を折った後、お兄さんは私の腕章のついていない方の腕を切ってください。 こっちの腕にはナイフ遮断のシートを巻きつけてますから。 そのあと全力で私の家に逃げてください』
『・・・・・・わかった。 あの家に帰るのは嫌だが、従おう』
という事は演技というわけか。
面白い。
「軍なんぞ、いる意味がないだろう!」
「あなた言いたい放題言って・・・・・・!」
今にも泣き出しそうな顔で声でヴァーミリオンが声を荒げた。
そして一瞬で懐に入り込まれて右腕を折られた。
「~~~~~~~~っ!?」
「ごめんなさい・・・・・・シェル兄」
折られるというのは他にないという位痛いものだった。
でもヴァーミリオンの事だから計算して剥離骨折位にしてくれてるだろう。 そう信じたい。
まだ激痛が走っている。 痛みで昏倒しそうだった。
そんな右腕を抑えながらその場から逃げ・・・・・・ようとしたその前に片手で双剣を構えヴァーミリオンの左腕を切り裂いた。
「きゃあっ!」
妹の悲鳴と他の研究員達の声を聞きながらその場から逃げた。


「ちょっと! 待ちなさいよ!」
駆けつけてくれた同僚のシュネーラーがお兄さんのあとを追いかけようとしているのを見て必死で止めた。
「い、いいです、シュネーラーさん・・・・・・。 私の戦闘不足ですから」
「なにを言ってるの! ヴァーミィほどの戦闘能力の持ち主が負けるわけないでしょ!?」
現時点で私は「負けた」のだ。
軍人としての価値は下がったかもしれない。 中尉から少尉に下がってしまう可能性も低くはない。
「いえ、いいんです。 顔も見えませんでしたし・・・・・・近頃はああいうゴロツキも多いですもん」
そういうと1人の女性が後ろから声をかけて来た。
「ヴァーミィ、あなた何か隠してない?」
「アマリネお姉さん、何も隠してなんか「そうかな・・・・・・?」
続いて数奇さん。
「僕が思うにヴァーミィさんの性格上、ああいうゴロツキは見逃さない性格だったんじゃないかな。 だって軍に入ったのも『悪のない世界にしたいから』だったよね。 本当のヴァーミィさんなら今の体の状態でも追いかけてる・・・・・・そんな気がするよ」
盲目の彼が、ジッと私の目を問いただすように見つめた。
私、赤い目を見られるの好きじゃないんだけどなぁ。
「でもヴァーミィ、あなた今体調悪いんでしょう? 早く家に帰ってその傷も身体も休めて来なさいよ」
背中を向けたシュネーラーが言った。
あれ・・・・・・?
研究室の中でお兄さんの存在を知っているのはシュネーラーだけだ。 もしかしたら感づいたのかもしれない。
それに賛成するかのようにアマリネさんが付け足す。
「それがいいわね。 ヴァーミィは人見知りだから医療班には行かないと思うし、体調悪いのも研究室のみんなは知ってるから。 私も文句ないわ」
「僕も構わないですよ。 また明日研究はやればいいです。 ヴァーミィさんは頑張りすぎますから」
「でもヴァーミィ、レポートだけは明日必ず持って来なさい。 ほら、荷物持って家に帰りなさい」
アマリネさんは微笑みながらそう言ってくれた。


「お兄さん!」
豪華な屋敷の前で待っているとヴァーミリオンが急いだ様子で走って来た。
壁に寄りかかっていた俺の身体を支えると裏口から家の中に入る。
久しぶりの実家だ。
ヴァーミリオンの話によると俺の部屋は今も残っているらしい。
エレベーターを使い、地下に進む。
地下を使っているのはヴァーミリオンだけだ。 研究室として使っている。
部屋は4つ。 2つは自分の部屋でもう2つは研究室になっている。
実は3階にもヴァーミリオンの部屋はある。 日常生活では3階を使うが、研究に没頭するときは地下にある部屋で寝泊まりするらしい。
ちなみにうちの実家はシエル・ロア内のトップを争う豪邸ということで有名だ。
ライバルはヴァルシス財閥。 でももうあの会社は他の株式会社に乗っ取られたらしいから詳しいことはわからない。
「本当にすみませんでした」
地下の医務室らしき所でヴァーミリオンは頭を下げた。
「いや、大体軍に乗り込んだ俺の問題だ。 むしろ感謝している」
「そう・・・・・・。 じゃあ応急処置だけでも」
そういいながら彼女は怪我の手当をしてくれた。
傷にはガーゼを貼り、包帯で固定。
骨折は添え木まで入れてくれるという徹底ぶり。
「で、お兄さん。 なんの用事だったんですか」
「ノートを貰いに来たんだ。 数字のノート。 勉強するから貸してくれ」
ノート? とヴァーミリオンは首を傾げたが、有無を言わずにとってきてくれた。
ずっしりと重いノートを抱え、ヴァーミリオンに言った。
「助かったよ」
「なんなら理科のノートも「いらん」
お前は俺を殺す気か。
「帰るぞ。 この家にはいたくない」
地下から出ようとすると、ヴァーミリオンから服を引っ張られた。
「いつ、いつ帰ってくるんですか」
「多分、一生帰ってこない。 すまないな、俺にはもう『大切な人』がいるんだ」
それを聞くとヴァーミリオンは嬉しそうな悲しそうな顔をして笑った。



自宅に帰り着いて、まずはベッドに倒れこんだ。
疲れた・・・・・・。
「セル、おかえ・・・・・・ってどうしたんだいその傷!」
「あ、あぁ。 ちょっとバトってきた」
心配するな。 とハンナの頭を撫でる。
するとハンナは急に抱きついてきて
「死んじゃったら許さないよ、セル」
と呟いた。
傷が痛むとか、そういうのは感じなかった。 なぜだろうか。
「大丈夫だ」
ハンナに、そして自分に言い聞かせる様に言う。
「俺は絶対ハンナから離れたりしない」



それから一週間後。
「うん? 25÷5は・・・・・・5?」
「よくできました。 その通りだ」
赤いペンで真新しいノートに丸を付けながら言った。
最初は簡単な計算からしていくことになった。 この程度ならなんなくやれる。
ヴァーミリオンの字は恐ろしく流麗で、読みやすい。 俺の字はどう思われているだろうか。
「セルの字ってさ」
問題と向き合いながらハンナが言い出す。
「すごく達筆すぎて読みにくいよ!」
ハンナの感想に呆れながらも「こいつ」と言いながら彼女の頬をつねった。


END

キャラ崩壊すみません!!
朱緒さん、右津田さん、あなろぐ時計さん、雑子さん、キャラありがとうございました(^-^)

この小説によってヴァーミリオンのすごさがわかってもらえたかな? 実際はセルハン小説なんですけどね!!

まじセルハン最高←
軍研究室組も\愛してる/

では!
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